ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰刻自用印一顆(現代、AD2024、5、18)

縦横・・3x3cm

印刀がまともに持てない状態なので、漢文を讀むことに

して、諸々讀んでいると思う所が浮かんで來る。金文の

回印で刻した「十次訓讀意自通之有」(十次の訓讀意自

ら通ずること之有り)である。漢文を訓讀していても一回

でこれだと言う讀には至らない、あれやこれや悩み、本

當にこれで良いのか逡巡し、十回程讀み返すと、自から

通じるものが出て來る。例え其れが最初の讀であったに

しても、逡巡と熟慮を繰り返す事が重要であろう、六十

年來讀み續けている今に至っても、この逡巡と熟慮は常

に課題として付き纏う。「讀書百編意自ら通ず」とも言う

が、分からない事は百回讀んでも分からない、しかし、

分かる事は十回程度讀み返せば、自ら分かる様になる

ものである。


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