ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陽刻自用印一顆(現代、AD2024、5、19)

縦横・・5x3cm

昨日から四回目の抗癌剤治療が始まったが、今回は副

作用が尋常では無い、點滴中から血管の激しい痛みと

腕の痺れに襲われ、口中と喉の痺れも酷く、上手く物が

飲み込めない。手足も痺れだけでは無く強張りも現れ

物を持った感覚無く、持ったつもりでコーヒーカップや箸

を落としたりする。若干ではあるが日常生活に支障が

出て來た。にも關わらず今の思いを石に刻したいと言

う愚かな考えに突き動かされて、刀を握った感覚の無

い指で、石の音を頼りに感覚で刻した、金文の「我堪痛

苦將亦何之」(我痛苦に堪へるも將《た》亦た何《いずく》

にか之《ゆ》かん)である。典雅な言葉などでは無く、單に

病人の愚痴にか過ぎないが、闘病の疲れが徐々に己の

心を蝕んでいる様に思われる、此も副作用に一斑であろ

う。


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