ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰陽刻自用印二顆(現代、AD2024、5、25)

縦横・・2.4x2.4cm

『論語』陽貨篇と『莊子』山木篇の句を、それぞれ戰國篆文

で刻した「焉用牛刀」(焉んぞ牛刀を用ひんや)と、「直木先

伐」(直木は先に伐らる)とである。鶏を割くには鶏刀を用い

れば十分であり、態々牛刀を用いる必要など無い。亦た直

木は有用であるが故に先に切られてしまう。己が能をこれ

見よがしに誇る必要は無く、己が才を見せびらかす必要も

無い。才を見せると人から重宝されるが、逆に其れに因っ

て躓く事も多く、餘り目立たない方が大過無く過ごせるので

ある。では己自身は如何で在ったかと言えば、牛刀の能

も直木の才も無かったが、些か行動や言動が目立っていた

と思う。故に「過」は數え切れない程有ったが「大過」は無

く、何とか無事に今日まで生き長らえている。此は寔に僥

倖であろう。


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