ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰陽刻自用印二顆(現代、AD2024、6、18)

縦横・・3x2.4cm

明の洪自誠が著した『菜根譚』の後集から、22項と120項

の句を各々甲骨文で刻した、「棲恬守逸」(恬に棲み逸を守

る)と「物我兩忘」(物我兩ながら忘る)とである。共に安靜

虚靜の心境を述べた言葉である。『菜根譚』は學生時代

に學友五人程で集まって輪讀した本である。輪讀とは名

目で集まった時の實態は、飲酒・放談・輪讀の順序であっ

たが、兎に角一年程で通讀した。既に忘却の彼方である

思い出にしか過ぎないが、其れでも心に殘った言葉は、時

たま思い出す。退職後は斯く在りたいと願ったが、逸を守る

事も我を忘れる事も出來ないでいる。其れが俗人凡人た

る所以でもあろう。宗教心など無い己が、最近は神頼み

をする事が多くなった、「神様仏様イエス様・・・」と、八百萬

の神々も「何と身勝手な」と、呆れ果てておられる事だろう。


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