ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陽刻自用印一顆(現代、AD2024、6、19)

縦横・・3x3cm

金文で刻した「侠魁道仁」(侠魁は仁を道《い》ふ)である

。侠魁とは侠の魁であるから、有り體に言えば大親分と

でも言えようか、五十數年前己がやんちゃをしていた頃、

偶々見知った侠魁は、確かに「仁」を口にしていたが、今

ではとんと聞かなくなった。決して侠魁を擁護し容認する

者では決して無いが、確かに「仁」を言っていた。其の御

仁が小生に言った言葉は今も忘れない。「なあ中よ、どん

な仕事をしようが、どんな世界に居ようが、男は最後の最

後は己の貫目で喧嘩するもんじゃ」と。侠魁とは真逆の

孔子の言い方を借りれば、「昔の侠魁は仁を言ひ、今の

侠魁は錢を言ふ」とでも言えるのでは有るまいか、過ぎ去

りし昭和の思い出を刻したに過ぎない。


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