ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰陽刻自用印二顆(現代、AD2024、6、28)

縦横・・3x2.4cm

『論語』の雍也篇と衛公の一句を、各々甲骨文で刻した

「人之生也直」(人の生まるるや直)と、「不以人廢言」(人

を以て言を廢さず)である。彫っている最中に石が割れた

が、何とか刻して見た。人は生まれた時は直であると言う。

その後世間と交わると曲になる。孟子の「性善説」に繋が

る言葉である。亦たどんな人で有れ言っている事が正しけ

れば採取し、人柄に因って発言を差別する事は無い。己も

今まで人をを以て言を廢する事はしなかったが、「直」であ

り續けたかと問われれば、答えは否で、學問に關しては直

を貫いて來たが、實際生活の中では曲も多い。特に妻に

對しは殆ど曲である。妻の指摘に己の直を言ったなら怒り

を招くだけである。怒りどころかその後の報復を考えたな

らば、直などあり得ない。曲を以て唯々諾々たるに如くは

無しである。


[ギャラリー一覧へ戻る]