ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰陽刻自用印二顆(現代、AD2024、6、30)

縦横・・3x2.4cm

清朝乾隆帝の印語に、「書に耽るは宿縁」と言う言葉が有

り、其れを眺めていてふと思った言葉を刻した。古璽文で

刻した「開卷是學恩」(卷を開は是れ學恩)と、戰國篆文で

刻した「耽石只宿縁」(石に耽るは只だ宿縁)である。この

歳に至っても漢籍を廣げて讀む樂みを與えて頂いたのは、

原田先生ほか諸先生、先輩・學友の學恩以外の何物でも

無く、誠に有り難い學恩である。亦た石彫りの樂みを始め

たのは、十代終わりの伏見先生のご指摘、三十代前半の

小林先生との會話、六十代後半の河野先生との遣り取り

が遠因となって、現在の師たる河西先生に結びついている

が、河西先生自身も、學生時代の卒論指導が伏見先生で

あり、亦た言うまでも無く小林先生の御高弟であり、河野

先生とは共に玄武の會でご一緒されていた。斯く考えれ

ば、己が河西先生を師としたのは、宿縁以外の何物でも

無いであろう。


[ギャラリー一覧へ戻る]