ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰刻自用印一顆(現代、AD2024、7、4)

縦横・・3x3cm

唐の王昌齢の「芙蓉樓送辛漸」の中から、有名な一句

を甲骨文で刻した、「一片氷心在玉壺」(一片の氷心玉

壺に在り)である。「氷心」とは清らかな心を表している

が、己の半生を振り返るに、氷心であった事が有るで

あろうかと考えるに、答えは否である。子供時代も子供

なりの俗氣と欲望に塗れていた。要するに、一片の濁

心が常に有り、今も「生」と言う濁心に苛まれている状

況である。故にこそ「氷心」が有ったと斷言出來る人を

羨ましく思うのである。一片の氷心どころか濁心塗れ

で在った己などは、俗人凡人の最たる者であろう。


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