ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陽刻自用印一顆(現代、AD2024、7、6)

縦横・・5x3cm

『老子』第64章の一句を金文で刻した、「千里之行始

於(烏)足下」(千里の行は足下に始む)である。老子

は、「合抱の木は豪末に生じ、九成の臺は累土に起き

、千里の行は足下に始む」と言っている。例え遠大な

計画・壯大な構想であろうとも、其の最初は足下の一歩

からはじまるのである。何事をするにしても、身近な所

から着實に一歩を刻む事が重要なのである。己は大

計や壯途を持つ事など無かったが、例え十歩の行で

あっても、出來る事からぽつぽつとで、足下から牛歩

の如き歩みで、振り返り振り返りながら歩んで來た、果

たして千里を行ったであろうか、未だ道半ばの思いが

する、特に漢文訓讀に關しては、確然として道半ばで

あり、師に指し示して頂いた道程の頂は、決して至る事

の無い雲間の果てに在る。


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