ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰陽刻自用印二顆(現代、AD2024、7、16)

縦横・・3x2.4cm

『史記』滑稽傳の淳于髠と齊の威王との會話の一節を、朱

白で久々に小篆で刻した、「一飛沖天」と「一鳴驚人」(一

たび飛ばば天を沖《つ》き、一たび鳴かば人を驚かす)で

ある。普段は何もしないが、いざとなったら驚く可き力を發

揮する事を言った言葉である。同じ内容の遣り取りを『韓非

子』喩老篇では、「飛必沖天、鳴必驚人」に作っている。己

の半生を顧みるに、「天を沖く」事も「人を驚かす」事も無か

った、要するに「いざ鎌倉へ」と云う様な、重要事態に出會

った事が無いのである。尤も假に出會ったとしても、「沖天

」「驚人」を示す様な才などは、持ってはいなかった事だけ

は、明白な事實である。


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