ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰陽刻自用印二顆(現代、AD2024、7、29)

縦横・・3x2.4cm

己の自戒を込めて金文で刻した、「由愚守拙」と「因知走巧

」(愚に由り拙を守り、知に因り巧に走る)である。己は愚直

故にひたすら拙を守り通せば、其れで良いのであるが、中

途半端な知識が有る事に因り、時として巧に走ってしまう。

下手な巧など、己の淺薄さを晒す以外の何物でも無い。『

韓非子』の説林上に有る「巧は拙に如かず」とか、『孟子』

の盡心上に有る「書無きに如かず」とかは、實に故有る言

葉だと思う。確かに知識は重要であるが、其の得た知識を

鵜呑みにして其れで良しとしては、無駄知識になってしまう

、常にこの知識で良いのか、或いは何か新しい事は無い

のか、と逡巡熟慮を巡らしてこそ真の知識と成り得るであ

ろう。己自身の反省と自戒が求められている。


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