ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰刻自用印一顆(現代、AD2024、7、31)

縦横・・3x3cm

『楚辭』の卜居の一句を、戰國篆文で刻した「瓦釜雷鳴

」(瓦釜は雷鳴す)である。賢人が遠ざけられて小人・俗

人が跋扈する様子を表現した言葉で、『楚辭』には「黄鍾

は毀棄せられ瓦釜は雷鳴し、讒人は高張し賢士は名無

し」と言う。昨今の政治状況を見るに付け、將に瓦釜雷

鳴だなあと思ったが、今回の東京都知事選挙の立候補

者を見て、尚更其の感を彊くした。性善説で成り立って

いた選挙法の前提が崩れ、法に触れなければ何をして

も許されると言う風潮が跋扈している現状を見ると、何か

高い都民税が無駄に使われている様で悲しくなり、選挙

に出かける氣さえ無くなってしまう。國政も都政も瓦釜雷

鳴の當事者自身のお祭り騒ぎの様に見え、「選良」と言う

言葉が空しく響くのは、己一人の偏見であろうか。


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