ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰刻自用印一顆(現代、AD2024、8、8)

縦横・・5x3cm

古璽文で刻した、「甘苦共來亦黄粱夢」(甘苦共に來た

るも亦た黄粱の夢)である。「黄粱夢」とは人生の儚さ

言った言葉で、唐代傳奇小説『枕中記』で、邯鄲の宿

場で廬生が道士の呂翁から貰った枕でうたた寝し、夢

で己の栄枯盛衰を見るが、夢から覚めると宿の黄粱飯

が炊きあがった所であったと言う。「邯鄲の一炊、黄粱

の夢」とも言う。己の半生を振り返るに、將に『一場の春

夢、黄粱の夢」である。何かに付けて思い出すのは、田

舎での子供時代と學生時代である。失敗も挫折も有っ

たが「所詮人生は成る様に成る」と思い、好きな事を前

向きに樂しんでこれた時代であった。所がいざ退職して

「さあこれからは悠々自適の老人生活」と思いきや、現

實は金錢・病魔・生活等々に追われ悩む、悲觀的生活

の日々である。此も人生ならば、善哉善哉であろうか。


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