ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰刻自用印一顆(現代、AD2024、8、18)

縦横・・2.4x2.4cm

『論語』泰伯篇の一句を、金文で刻した「實若虚」(實つ

れども虚しきが若し)である。此は曾子が顔淵を思い起

こして言った言葉で、「能を以て不能に問ひ、多を以て

寡に問ひ、有れども無きが若く、實つれども虚しきが若

くし、犯さるるも校せず。昔者吾が友、嘗て斯に從事せり

」と有る。己は、不能を以て能に問ひ、寡を以て多に問

ひ、無ければ無しとし、虚なれば虚とし、犯さるれば退

くと言う處世であった。要するに、一度として能でも多で

も有でも實でもあった事等無く、常に誰からか叱責罵

倒を受け續けて居り、一歩身を引いて考えさせられる

事ばかりであった。


[ギャラリー一覧へ戻る]