ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陽刻自用印一顆(現代、AD2024、8、19)

縦横・・5x2.4cm

魏の曹操の短歌行の一節を、甲骨文で刻した「周公吐

哺天下歸心」(周公哺を吐き天下心を歸す)である。有名

な赤壁の決戰前に曹操はこの歌を詠じ天下統一を願っ

たが、結果は天下は心を反し、三國鼎立の状況を招來

せしめた。因みに己に關しては、入院手術の時は二人

の娘も妻も、小生に心を歸してくれたが、其れは所詮一

時の事で、手術中にさっさと各自の居住地に帰り、今

や彼女達の心は妻に歸している。先日長女から電話が

有り、「調子はどう」と聽から「大丈夫」と答えたら、「お父

さんの事では無い、お母さんの事だ、お母さんの機嫌だ

よ」と言われ、次いで「中林家の安寧はお母さんの機嫌

が良い事の一點に係っているから、お父さんは絶対お母

さんの機嫌が悪く成る様な言動は取らない様に」と説教

された。私に對する心配では無く、妻の様子を窺う電話

であった。「老いては子に從へ」とは言うが、何か家族中

に於ける己の存在感の薄さに、一人で悶々と悩んで居

る。


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