ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陽刻自用竹木下駄印一顆(現代、AD2024、8、27)

縦横・・1.1x1.1cm

此は慣れない事をしてはいけないと言う、教訓の失敗作である。

偶々竹の側面を1.1センチ角の下駄印に仕立てた竹木が有っ

た、よせば良いのに彫って見ようと思ったのが大間違いであった。

竹を彫るには竹専用の刀が有るとは聞いていたが、片刃の印刀

で彫れるだろう等と勝手に思い、古璽文で「信恕」と布字したまで

は良かったが、實際彫り出したら全く彫れない、竹の繊維が勝手

に裂けたり潰れたりする。彫る・切ると言う感覚では無く穿ると言

う感覚で、どうにかこうにか文字の形を残して穿ったのが、此であ

る。敢て「信恕」と言えばそう讀めなくも無いが、線がよれよれの

酷い物である。「生兵法は怪我の本」と言うが、全くその通りで、

慣れない事など決してするものでは無く、もう竹は絶對彫らない

つもりである。


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