ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰陽刻自用印二顆(現代、AD2024、9、17)

縦横・2.4x2.4cm

『論語』述而篇の一語を、金文で刻した「子不語」(子は語

らず)と、『史記』袁盎傳の一節を、古璽文で刻した「坐不

垂堂」(坐するに堂に垂せず)とである。「子不語」とは、怪

力亂神の事で、要するに良く分からないものを指している。

『論語』には、「子は怪力亂神を語らず」と有る。「坐云々」

は、危うい所には身を置かないと言う意味で、『史記』には、

「千金の子は坐するに堂に垂せず、百金の子は衡に騎さ

ず」と有る。昔から「君子は危うきに近寄らず」と言うが、己

は君子でも千金或いは百金の輩でも無く、單なる好奇心の

彊い凡人に過ぎなければ、敢て堂に垂し衡に騎してタイト

ロープ的な生き方もして來たが、當然リスクを伴なった。し

かし、其のリスクは初手から承知の上であり、其れを受け

る覚悟が有っての垂堂騎衡ででもあった。


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