ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陽刻自用印一顆(現代、AD2024、9、20)

縦横・2.4x2.4cm

『世説新語』文學篇の一語を、戰國三晉篆文で刻した、

「將無同」(將《は》た同じきこと無からんや)である。この

言葉は「三語の掾」の故事の元となった一語である。大

尉の地位に在った王衍が、阮脩に「老荘と聖教と同じき

や異なるや」と訊ね、脩は「將《は》た同じきこと無からん

や」(まあ同じでしょう)と答え、衍は其の答えを善しとし、

辟して掾と為した、と言う話である。しかし、『蒙求』では、

司徒の王戎と阮瞻との會話に作っている。掾と成った所

までは同じであるが、その後の話は、『世説』と『蒙求』と

では各々異なる。はてさて一體孰れが正しきや、それと

も異なるや、と問われれば、答えは「將無同」である。


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