ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陽刻自用印一顆(現代、AD2024、10、6)

縦横・5.8x3.8cm

南宋の陸游の「書憤」の一句を戰國篆文で刻した、「早

歳那知世事難」(早歳那《なん》ぞ知らん世事の難きを)

である。彼は「早歳那ぞ知らん世事の難きを、中原を北

望して氣は山の如し」と詠じている。陸游ほど立派な世事

では無いが己も此の言葉に共感する。確かに若い時は

世事の難しさなど考えもせず、職を拝してからは、大學

と自宅との往來で、世事に關わる事は無かった。退職

してこれで自由だと思ったが、逆に世事に患わされる事

となった。退職後は近所の方々との接触が増え、特に

ご婦人方との會話には諸々注意を払わねばならない。

まして目の前に新築の一軒家が七棟も出來、新たな七

家族が登場したが、全て娘の如き年齢のお母さん方で

ある。さてどう言う言葉遣いで話せば善いのか、つまら

ぬ事では有るが、些事の世事で心を悩ます日々である。


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