ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰刻自用印一顆(現代、AD2024、10、7)

縦横・5.8x3.8cm

『醉古堂劍掃』卷十一の一節を、金文で刻した「昨日之

非不可留而今日之是不可執」(昨日の非は留む可から

ずして今日の是は執る可からず)である。是非には捕ら

われないと言う事であるが、此の言葉は『菜根譚』の修

身七にも有り、『醉古堂劍掃』・『菜根譚』共に、「昨日の

非は留む可からず、之を留むれば則ち根燼復た萌して

塵情終に理趣を累はさん。今日の是は執る可からず、之

を執れば則ち渣滓未だ化せずして理趣反轉して欲の根

と爲る」と言っている。是非得失には執着しない様には心

懸けているが、時として得失に執着してしまう事が有る、

凡人の悲しさである。


[ギャラリー一覧へ戻る]