ギャラリー解説蛟蛟
書画
黄虎洞手習い、陰刻自用遊印一顆(現代、AD2024、10、15) |
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縦横・1.5x1.5cm 古璽文で刻した1.5センチ角の遊印で、「仁道一曄」(仁道 は一《もっぱ》ら曄く)である。此の言葉は半世紀以上昔の 昭和四十四年末頃に、十ヶ月程學んだ漢文の知識を利用 して、數人の仲間と作った「中文歌」の一節である。當時大 東の前身である學院時代の「學院歌」は、昭和七年に漢詩 壇の重鎮であった國分青拷・作の七言絶句が有った。「天 孫肇國奉天猷、仁コ深霑瑞穂洲、儒学萃精皇道美、君臣 大義自千秋」(天孫國を肇め天猷を奉じ、仁コ深く霑す瑞穂 の洲、儒学萃精し皇道美しく、君臣の大義自ら千秋)と謂う もので、今から見れば可成り不穏當の言葉を含んでいるが 、其れが將に昭和七年という時代を反映していると、ご理解 を賜りたい。此に倣って「中文歌」を作って見よう等と、身の 程知らず馬鹿な事をしたが、其れが韻など無視して漢字を 並べただけの八言五句の歌で、「安在乎咲青桐之華、吾輩 播揚鳳梧之年、仁義禮智信大東心、嗚呼中文嗟乎大東、 仁道一曄於我前途」(安在《どこか》に咲く青桐の華、吾輩 は播揚せん鳳梧の年《みのり》、仁義禮智信は大東心、あ あ中文ああ大東、仁道は一ら我が前途に曄かん)である。 十八歳當時の、慚愧慚愧のお笑い種の代物である。 |