ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰陽刻自用印二顆(現代、AD2024、11、1)

縦横・2.4x2.4cm

『詩經』周南桃夭の一句を各々甲骨文で刻した、「之子于

歸」(之の子于《ゆ》き歸《とつ》ぐ)と、「宜其家人」(其の家

人に宜しからん)とである。娘を嫁がせる親の氣持ちであ

る。『詩經』には、「桃の夭夭たる、其の葉蓁蓁たり、之の

子于き歸ぐ、其の家人に宜しからん」と詠じている。己も十

數年前に娘二人を送り出したが、將にこの様な思いであっ

た、と言うより、嫁がせたくなかった。身勝手な思いである

が、偽らざる父親の思いである。以來幾星霜、孫が既に

五人、寔に五月蠅く感じるが、これも爺の身勝手さである。


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