ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陽刻自用印一顆(現代、AD2024、11、5)

縦横・3x3cm

甲骨文で刻した「三上之考」である。「三上」とは、文章を

考えるに適した良き場所を現した言葉で、馬上・枕上・

厠上を指している。欧陽脩の「歸田録」に、「余、平生作

る所の文章、多くは三上に在り、馬上・枕上・厠上なり」

と有る。己の學生時代を振り返るに、確かに此の言の

如く、漢文や訓讀をあれこれ考えていたのは、通學の電

車内・布団の中・トイレの便座に座った時であった、一人

でぶつくさ言いながら、思考を巡らしていた。では机の前

はと言えば、何かを調べる時か原稿を書く時、或いは物

を食べる時には、机に向かったが、諸々二考三思に陥

る時は、三上であった。


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