ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰陽刻自用未識文字印六顆(現代、AD2024、11、19)

縦横・2x2、1.4x1.8cm

未識徽號文字の最後は陶文である。金文よりやや時代は下るが、陶

文にも未解釋の文字が多數有る。こちらは金文に比べて徽號と言う

よりは、寧ろ文字に近いが其れでも未讀である。本來の篆文の所謂

異体字なのか或いは誤字なのか、將た亦た合字なのか、全く分から

ない。己は中國古代文字の知識が乏しく専家でも無いので、文字學

の専家たる徐仲舒氏や高明氏の見解や中央科學院の報告、更に

は李學勤氏の解説等々を拝讀し、「なるほど、そうなのか」と納得す

るだけである。孰れにしても早急なる未識徽號文字の解讀が待たれ

てならない。文字は基本的に意思傳達の道具であり、例え象形文

字であっても、其れは同じである。古代人は、此で何を傳えたかった

のか、古代文字を眺めていると諸々想像が膨らんで樂しいが、同時

に奥深くて高度な知識が要求される世界でもある。因って己が如き

淺薄な知識の輩は、輕々な事は言わぬに如くは無しである。


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