ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陽刻自用印一顆(現代、AD2024、11、25)

縦横・2.1x5cm

『十國春秋』」卷五十三歐陽彬傳に有る一句を、古璽文で

刻した「風月主人」である。風流を樂しむ人の事で、歐陽

彬は後蜀の孟昶から嘉州刺史に任じられた時、喜んで「

青山告中二千石と爲り、詩を作り酒を飲み風月主人と

稱す、豈に佳ならざらんや」と言っている。己は退職後特

段する事とて無く、漢文を讀んで老化を防止し、石を刻ん

で老後の樂しみとしている有閑老人であるが、彬を真似

て言えば「寸石在机上、練文弄刀、稱彫石主人」(寸石机

上に在り、文を練り刀を弄び、彫石主人と稱す)であろう

か。小生如きがこの様な言を吐けば、恐らく歐陽彬は呆

れ果てて「この愚か者が」と口をあんぐりとさせる事であ

ろう。


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