ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰刻自用印一顆(現代、AD2024、12、4)

縦横・4.6x1.5cm

『列子』黄帝篇の一句を、東周篆文で刻した「遊華胥之

國」(華胥の國に遊ぶ)である。『列子』には、「晝寝ねて

夢み、華胥の國に遊ぶ」と有る。黄帝が夢の中で遊んだ

理想郷であると傳えられているが、具体的には誰も分か

らない。此の數年病苦の爲であろうか、矢鱈に神社佛閣

を巡り歩いている夢を見る。其の中で高僧の如き仙人

の如き、將た亦た神の如き佛の如き、実態の知れぬ誰

かに聲を懸けられ、有り難や有り難やと思い顔を上げて

話しかけようとすると、突然其の存在が妻の顔に變わる

、「何でお前が此處に」と言いかけた途端に目が覚める

、はてさて、妻は己にとって神か佛なのだろう等と、思い

つつ再び眠りに就くのである。


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