ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陽刻自用印一顆(現代、AD2025、1、10)

縦横・2x2cm

戰國三晉篆文で刻した、「哲人其去」(哲人其れ去る)で

ある。『禮記』檀弓上には、「哲人其れ萎《や》む」と有る

が、「萎」ではなく直裁的に「去」である。暫く前に風の便

りでE先生が棄館された事を聞いた。先生とは半世紀以

上の付き合いで、今も小生が所属する「藝文類聚研究

班」の創設者でもある。時には先生の伊勢原の御自宅

に泊まり込んで、漢文訓讀の讀み合わせを行った事も

多々有った。今、一言難盡の萬感の思いが、己の心を

駆け巡っている。中國學研究などと言う高尚なものでは

なく、單に漢文を讀む事が好きだった先生方が、次々と

彼岸に旅立たれる、兎に角悲しい、悲しいよ。


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