ギャラリー解説蛟蛟
書画
黄虎洞手習い、陰刻自用印一顆(現代、AD2025、3、21) |
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縦横・2x2cm 『貞觀政要』君道篇の一句を金文で刻した、「守成之難」 (守成の難)である。唐の太宗が臣下に向かって、「草創 と守成と孰れが困難であろうか」問い、房玄齢は「草創 が困難だ」と答え、魏徴は「守成が困難だ」と答えた。 太宗は「草創の難は已に過去の事である、これからは 守成の難をお前達と慎もう」、と言っている。何か目標を 設定して其れを目指す時は、困難が多くても何處か樂 しいが、其れを獲得した後に其れを守り通す事は、別の 困難さが有る。己は六十前まで常に師の叱責を受けな がら漢文訓讀の知識と技術を學んで來た、しかし六十以 後は、其れまで學んだ知見を如何に維持して行くかに 腐心している。技術は、一端其の鍛錬を止めると立ち 所に落ちて行く、故に今も漢文を讀み續けている。將に 「守成の難」の中に在る。 |