ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰刻自用印一顆(現代、AD2025、5、30)

縦横・2.5×2.5cm

『莊子』列御寇篇の故事を、金文で刻した「屠龍之技」で

ある。實際の役に立たない技術の事で、豊かな知識に

基づいて高度な理論を組み立てたにしても、實際の應用

に役立たなければ、所詮無用な知識・技である。列御寇

篇には、「朱萍漫、龍を屠ることを支離uに學び、千金

の家を單《つく》す。三年にして技成るも、其の巧を用ふ

る所無し」と有る。小生の漢文訓讀技術など、實際の日

常生活では全く何の役にも立たない、例え七十年近く學

び續けて來たにしても、所詮「屠龍の技」にしか過ぎない

であろうが、其れが老後の生活に張りを與えていれば、

「屠龍の技」も満更棄てたものでも無い、と思っている。

たかが「屠龍の技」、されど「屠龍の技」である。


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