ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰刻自用印一顆(現代、AD2025、6、14)

縦横・4.7×2cm

金文で十八字を刻した、「宜乎人也情理相反心求金蓮

而口説孔孟矣」(宜なるかな人や、情理相反し、心は金

蓮を求むれども口は孔孟を説けり)である。四十五年に

及ぶ教員生活、文・史を論じている時は樂しかったが、

『論語』や『孟子』の時は、己自身が心得せぬままに讀ん

でいた、當時の學諸君には實に申し譯無い事をした、と

今でも思って居る。己の悔悟を込めて心底の聲を言葉

にしてみた。尤もらしく孔孟の言を述べてはいても、何處

か金蓮を欲する心が有るのである。笑う可し、笑う可し、

他者から見れば、己などは恐らく度し難い輩なのであろ

う、と思うこの頃である。


[ギャラリー一覧へ戻る]