ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰刻自用印一顆(現代、AD2025、7、31)

縦横・3.2×2cm

『荘子』駢拇篇の一句をアレンジして、印篆で刻した「讀

書博塞亡羊」(讀書博塞は羊を亡ふ)である。『荘子』に

有る故事で、「二人の男が羊の番をしていたが、一人は

讀書に夢中になり、もう一人は博打に耽っており、共に

羊を逃してしまった」と言う話である。讀書であろうと博打

であろうと、行爲の善し悪しではなく、何か別のものに夢

中になると、本來の行う可き事を忘れてしまう、と言う事

である。己も、石を彫っていたり漢文を讀んでいたりする

と、時間になってもついつい食事を忘れてしまい、妻から

叱責と嫌みを言われる事が多くなった。これは決して老

人の惚けでは無い、單なる「讀書彫石亡羊」に過ぎない

と信じている。


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