ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陽刻自用印一顆(現代、AD2025、8、16)

縦横・2.4×5cm

『春秋左氏傳』昭公元年の一語を、金文で扁額風に刻し

た「朝不謀夕」(朝に夕を謀らず)である。眼前の問題處

理に追い回されて、先々の方策や戰略が立てられない

事である。己は學生時代から、生活出來る収入さえ有

れば、漢文を讀み續けて書生の様な一生を送りたいと

思っていたが、だからと言って先々の方策を立てた事な

ど一度として無かった。寧ろ逆に其の時々の風に身を任

せていたに過ぎない。然りと雖も結果として「逸餘」の様

な生活が送られたのは、天祐に因る僥倖以外の何物で

も無いであろう。因って己は、「朝謀朝夕謀夕」である。


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