ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陽刻自用印一顆(現代、AD2025、8、28)

縦横・2.3×2cm

『春秋左氏傳』哀公十一年の一語を、金文で刻した「心

腹之疾」(心腹の疾)である。中々制御出來ない厄介な

敵の事である。呉の伍子胥が諫めた言葉で、「越は我

に在りて心腹の疾まり」と有る。この石は印面に無數の

ヒビが入っており、果たして文字が刻せるのかと悩み逡

巡したが、チャレンジとばかりに敢えて朱文を彫ってみた

、結果は矢張り彼方此方の線が飛んでしまい、酷い仕

上がりとなったが、何とか文字として判讀出來そうであ

る。亦た「腹」の字は、徐氏採取(『漢語古文字字形表』

)の形を使用させて頂いたが、己が文字學に疎い爲、

果たしてこの形で良いのか否か、疑問が無い譯では無

い。


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