ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰刻自用印一顆(現代、AD2025、9、4)

縦横・3.4×2.2cm

『孟子』離婁上の一句を、印篆で刻した「仁人之安宅也

義人之正路也」(仁は人の安宅なり、義は人の正路な

り)である。この安宅と正路を棄てて生きるのは悲しい

事だと謂う。所謂「仁義」の重要さ、人としての根本を述

べた一節である。では己は其の安宅に身を置き正路に

由って生きてきたのだろうか、と自らに問えば、頭が下

がる以外の何物も無く、言葉が出て來ない。「仁」はと

もかくせめて「義」に由って歩んで來たかった、と悔悟の

念を深くしている。


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