ギャラリー解説蛟蛟
書画
黄虎洞手習い、陽刻自用印一顆(現代、AD2025、9、29) |
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縦横・2×2.3cm 『後漢書』陳寔傳の一句を、金文で刻した「梁上君子」( 梁上の君子)で、泥棒の事である。陳寔傳に、「盗の夜 に其の室に入り梁上に止まるもの有り。寔陰かに見、乃 ち起ちて自ら整拂し、呼びて子孫に命じ色を正し之に訓 じて曰く、夫れ人は自ら勉めざる可からず、不善の人は 未だ必ずしも本より悪ならず、習ひ以て性成り遂に此に 至る、梁上の君子なる者、是れなりと」と有る。淺田次郎 の名作「天切り松」こと村田松蔵の如き、天井裏の梁上 に身を隠す様な泥棒は、まだ愛嬌が有ると思える存在で あるが、最近の泥棒は有無を言わさず玄関をぶち破って 乗り込んで來る。將に押し込み彊盗であり、「梁上の君子 」ならぬ「玄関口の悪人」であれば、くわばらくわばら何 卒ご遠慮願いたいものである。 |