ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰刻自用印一顆(現代、AD2025、10、5)

縦横・2.3×2cm

『史記』淮陰侯傳の一句を、甲骨文で刻した「高材疾足」

で、才能豊かで行動力に富んでいる事である。淮陰侯

傳には、「秦、其の鹿を失ひ天下共に之を逐ふ。是に於

て高材疾足なる者、先に焉を得たり」と有る。己は高材

でも疾足でもなく、逆に鈍才遅足であれば、何とかよろ

よろよたよたと此處までやって來た、と言うのが偽らざる

實感である。己の様な輩が、よくも四十五年間も大學の

教壇に立てていたものだ、と我ながら不思議に感じてい

る。


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