ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰刻自用印一顆(現代、AD2025、11、2)

縦横・3.3×2.5cm

『論衡』感虚篇の一節をアレンジして、金文の回印で刻し

た「烏白馬角」である。絶對有り得ない事の例えである。

例え烏白馬角を見ようとも決して貴方の恩義は忘れ無い

、と言う様な使い方をする。感虚篇には、「日をして再び

中し、天をして粟を雨らしめ、烏をして頭を白くしう、馬を

して角を生じ、厨門の木象をして肉足を生ぜしめば、乃

ち歸るを得ん」と有る。この話は、天が感動して實際こ

の様な現象を起こしたと傳えるが、『論衡』の著者王充

は「虚言」と斷じている。人は相手の要求を拒否する代

わりに、時として出來もしない烏白馬角を条件に出す事

が、往々にして有る。


[ギャラリー一覧へ戻る]