ギャラリー解説

書画

寶晉齋田邊機一 、俳句(近代、AD1856〜1933)

絹本肉筆・・縦107cm、横18.7cm

「木枯らしの骨にまで吹くおもひかな 寶居士機

一 」の下に、陽刻「其角堂印」の落款が押され

ている。俳画は、銀杏と破れ団扇に降り注ぐ時

雨の図である。田邊寶晉齋は江戸の人で、名は

機一、号を寶晉齋と称し、蕉門十哲の一人で唯

一「点取俳諧」を許され江戸市井の人々の生活

を詠い、洒落風俳諧を成立させた宝井其角の

流派を其角堂と称するが、その第八世堂主で、

都会派として知られた第七世堂主穂積永機(1

823〜1904)から、其角堂と寶晉齋の名を受

け継いぎ、主に明治三十年前後に活躍した俳

諧の宗匠であるが、明治の俳壇に新風を起こし

た正岡子規からは、「月並み俳諧」と蔑称された

旧派の俳人である。


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