ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰陽刻自用印二顆(現代、AD2025、12、3)

縦横・2.2×2.3cm

共に金文で刻した、『後漢書』明徳馬皇后紀の「含飴弄孫」

(飴を含み孫を弄ぶ)と、『晉書』赫連勃勃載記の「枕戈寝

甲」(戈を枕とし甲に寝ぬ)とである。「「含飴・・」は、老人が

特段仕事もせずのんびりと暮らす事を表し、皇后紀には、「

吾は但だ當に飴を含み孫を弄ぶべきのみにして、復た政

に關わる能はず」と有る。しかし、最近はそうは行かない。

「諭吉がほしい」とか「榮一をくれ」などと言う孫を見ると、含

飴ならぬ「握錢弄孫」が、現實である。亦た「枕戈・・」は、常

に戰場に身を置き常在戰場を表した言葉で、勃勃載記に

は、「戈を枕とし甲に寝てより十有二年、而るに四海未だ

同じからず、遺寇尚ほ熾んなり」と有る。己も二十代頃は、

枕戈寝甲ならぬ「枕本寝机」であったが、勃勃の言を借り

れば、本を枕とし机に寝てより五十有七年、而るに學未だ

成らず、不識尚ほ熾んなりである。


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