ギャラリー解説蛟蛟
書画
黄虎洞手習い、陰陽刻自用印三顆(現代、AD2026、3、9) |
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縦横・・2.4×2.4cm 偶々杜牧の「江南春」の「千里鶯啼いて・・・」を調べてい たら、「千里」の付く言葉が數點頭に浮かんだ。其處で其 れを彫る事にし、甲骨文で刻した「千里同風」(千里風を同 じくす)と、金文で刻した「千里命駕」(千里駕を命ず)と、古 璽文で刻した「千里无(無)煙」(千里煙無し)とである。「同 風」は、風俗が同化されて天下が平和になる事の例えで、 『論衡』雷虚篇に、「夫れ千里風を同じくせず、百里雷を共 にせず」と有り、「命駕」は、遠方の知人を遙々訪ねる事の 例えで、『晉書』嵆康傳に、「東平の呂安、康の高致に服し 、一たび相思ふ毎に輒ち千里駕を命じ、康は友として之を 善とす」と有り、亦た「无煙」は、千里四方に渉って煮炊き の煙が上がらず、人々が甚だ困窮している様子を表した 言葉で、『三國志』衛覬傳に、「當今千里煙無く、遺民困苦 す」と有る。 |