ギャラリー解説

書画

傳・益軒貝原篤信、普賢菩薩圖(江戸時代、AD1630〜1714)

紙本肉筆・・縦38cm、横29cm

象の側に變臉の羅漢と童子を配した、不可思議な図であるが、

「決まった姿が無く色々変化して教えを説いた」とされる普賢菩

薩の図である。陰刻「貝原篤信」と陽刻「子誠之印」の落款が押

されている。貝原益軒は筑前の人で、名は篤信、字は子誠、号

を益軒・損軒・柔齋などと称し、京に出て松永尺五の門に入り、

山崎闇斎らと交わり、次いで江戸で木下順庵に師事し、帰藩後

に儒臣として福岡藩に仕え、藩の文教政策や、佐賀藩との国境

問題に尽力した儒者にして博物学者である。本品は、益軒の名

と字の落款が有るが、果たして益軒の作なるや、否や。野暮な

事は言わず、唯惟有り難い菩薩図として拝み奉り楽しめば、そ

れで良いのであろう。


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