ギャラリー解説

書画

傳・羅山林信勝、行書文(江戸時代、AD1583〜1657)

紙本肉筆・・縦99.8cm、横34cm

「羅山」の下に、陽刻「羅山」と陰刻「白雪齋」の落款

が押されており、更に所蔵者の陽刻「龍溪書屋」の印

も押されている。林羅山は京の人で、名は忠・信勝、

字は子信、法号は道春、号を羅山・梅村・夕顔巷・羅

浮・浮山・尊経堂などと称し、十四歳で建仁寺に入っ

て儒学を学び、二十二歳で藤原惺窩に師事して高弟

(惺窩門四天王の一人)となり、徳川家康の儒官とし

て江戸幕府の学問的基礎づけを行い、幕府の官学

に朱子学を立てた儒者で、子孫は代々大学頭として

幕府の学問を司っている。尚、本品は「傳」であり、字

態も江戸中期以後の様であるが、軸外には「百忍歌

林子信書 龍溪珍蔵」と書かれている。龍溪とは、京

の儒者であった岩垣龍溪(1741〜1808)のことで

あろうか。


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