ギャラリー解説

書画

敬杜齋韓天壽、行草書五絶(江戸時代、AD1727〜1795)

紙本肉筆・・縦26.5cm、横10.6cm

「天壽敬杜齋」の下に、陰刻下駄印「天壽」の落款が押さ

れている。韓天壽は京の人で、本姓は青木氏であるが、

中川家の養子となり名は天壽、字は大年、号を醉晉齋と

称し、松下烏石に書を学んだ文人書家である。本品は、

「敬杜齋」と有る。韓天壽に「敬杜齋」なる号が有ったとは

伝えられていないが、この詩の筆運は明らかに韓天壽の

筆様である。彼が書に於て晋の二王に心酔して「酔晋齋

」と号したことは有名であれば、詩に於ては、唐の杜甫を

崇敬していたが故に「敬杜齋」と号したとも考えられる。

本品が自作の詩であれば、その可能性は捨て難い。韓

天壽は、書を書く時には「酔晋齋」と号し、作詩の時は「

敬杜齋」と号した、と考えるのは如何であろうか、博雅の

士の教えを切に請う所である。


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