ギャラリー解説

書画

董齋松本正義、行草書十四字(江戸時代、AD179?〜1870)

紙本肉筆・・縦103cm、横30cm

「法眼董齋正義」の下に、陰刻「法眼盛義」の落款が押され

ている。松本董齋は江戸の人で、名は正義、号を董齋と称

し、大阪の中井董堂に師事した書家で、董其昌風の書を得

意とし、江戸後期から幕末にかけて名を馳せている。龜戸

天神には、董齋筆塚が遺されており、文政四年刊行の大田

錦城著『仁説三書』や、林国雄著『興哥考』などに序文も寄

せている。また川越の愛宕神社に有る安政四年に建てられ

た父塚芭蕉句碑の揮毫者であり、幕末維新の俳人小野素

水の書の師でもある。更には、森鴎外の『細木香以』の中で

も、香以の子の書の師として、彼の名が記されている。


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