ギャラリー解説

書画

復堂小杉煕、行書七律(近代、AD1856〜1928)

紙本肉筆・・縦15cm、横26cm

「小杉煕」の下に、陰刻下駄印の「源煕」の落款

が押されている。小杉復堂は越中の人で、加賀

藩主前田利声の近侍を務め、後に上京して漢

詩を大沼枕山に学び、詩文を善くした富山藩の

漢学者で、維新後は富山中学や富山師範学校

等で教え、明治11年に立山に、20年には一ヶ

月をかけて富士山・白馬岳・乗鞍岳・御嶽山・白

根山に登り、近代登山の先覚者となっている。

しかし、彼は明治の欧化に与することなく、徹頭

徹尾漢学を奉じた孤高の漢学者であった。本

品は、「明治神宮新造」と有れば、大正十年(1

921)の作であろう。


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