ギャラリー解説

書画

介堂永井尚志、行書七絶(幕末維新、AD1816〜1891)

絖本肉筆・・縦134.7cm、横35.3cm

「介堂」の下に、陰刻「孚キョウ(龍+共)」と陽刻「介堂」

の落款が押されている。永井介堂は三河の人で、名は

尚志、字は孚キョウ(龍+共)、号を介堂と称し、奥殿藩

主松平乗尹の次男で、昌平黌で学んでいるが、旗本永

井尚徳の養子となり、目付・外国奉行・軍艦奉行・京都

町奉行などを歴任して若年寄となり、榎本武揚らと行

動を共にして函館奉行となり、幕府に忠誠を尽くした幕

臣で、詩文にも秀でて『介堂詩草』を残しており、村松

廬州の『近世儒家人物誌』では、儒家として扱われてい

る。本品は、「壬戌春陽於浪花云々」と有れば、文久二

年の作であろう。尚、介堂はこの年に京都町奉行を拝

して、上方に在住している。


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