ギャラリー解説

書画

得水赤井明啓、行書一字・草書九字(江戸時代、AD1690〜1746)

紙本肉筆・・縦34cm、横49cm

「得水書」の下に、陰刻丸印「明啓」と陽陰刻「子中印心」の落款が押さ

れている。赤井得水は加賀の人で、名は明啓、字は子中、号を得水と

称し、賀茂神社の祠官で空海や三跡の書法を慕い、加茂流或いは甲

斐流と言われる書を創り、後水尾天皇から書博士の称を賜った藤本

敦直の門人で、志津(頭)磨流の書を創始した佐々木志津(頭)磨門下

清水消水に学んだ能書家で、江戸に住して活躍し、『筆法蒙引』や『時

用文案』等の書籍を公刊しており、『蜀山家集』の中にはその活躍の様

子が、「大久保七面社の花をみて七面に赤井得水のかける額あり、社

の前に筆ざくら二本さけり、“七面と書きたる額の筆ざくら、花の赤井の

ひもを得水”」と記されている。


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