ギャラリー解説

書画

傳・梅亭紀時敏、行書七絶(江戸時代、AD1734〜1810)

紙本肉筆・・縦110cm、横27.5cm

「梅亭」の下に、陰刻「政道字曰公容」と陽刻「楳亭迂士

」の落款が押されている。紀梅亭は京の人で、名は時

敏、字は子恵、号を梅亭・梅華・九老山人などと称し、

初めは岩城藍田の家僕であったが、その画才を藍田に

認められ、与謝蕪村の門に学び、近江に住して湖南九

老と称し、世間から近江蕪村とも呼ばれた画家である。

本品は、紀梅亭の作と言われているが、印象の文字が

紀の名と字とは異なっている。また梅亭と号する人とし

ては、越後の儒者村松梅亭がいるが、村松の名と字と

も異なる。紙質も書きぶりも、明らかに江戸後期の様相

を示していれば、江戸ものであることは疑い無いが、で

は果たして何何梅亭なのか、博雅の士の教えを切に請

う所である。


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