ギャラリー解説

石材

舊水晶触器(清末民初時代)

長さ18.5cm、径3.4cm

古代社会に在っては、信仰の対象として男女の性

器を象ったものは世界各地から発見されている。

中国も例外ではないが、特に男性性器を「祖」と呼

び、材質に因って、「玉祖」「石祖」「陶祖」「木祖」等

と呼んでいる。これに対し、信仰の対象ではなく実

用を目的としたものを「触器」と呼び、古いものとし

ては漢代辺りの遺物が報告されており、以後連綿

として作り続けられている。亦、宦官が死亡した時

には、玉や陶器で陽根を模した品を遺体と共に墓

に入れる風習も有る。本品が実際の触器なのか、

或いは宦官墓に副葬された品なのか、真偽は不

明であるが、時代的には恐らく清朝末期から民國

時代にかけてのものであろう。


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