ギャラリー解説

石材

新灰玉金泥象嵌彭城王圭笏(現代)・檜山氏寄贈

長さ31.8cm、上幅.7.2cm、下幅8.5cm、厚み0.4cm

一応材質は「玉」である。右側饕餮紋の左歯下に

微かに見える緑色は灰玉の原石である。但し、物

は現代工芸品と言うよりお土産品である。玉板で

この様な形態をしたものには、「玉戈」「玉刃」「玉

笏」「玉冊」などが有るが、「玉戈」「玉刃」は、上部

に穴が有り下部は薄くなっており、模様は彫られ

ても文字は彫られない。「玉笏」は、穴が有り時に

は文字も彫られるが、その部分を持つため持った

時に文字が読めるようになっている。「玉冊」は、

長方形で穴は無く文字が彫られている。つまり本

品は、それぞれの部分的要素は有るものの全く

別物で、まさにお土産品である。この様な圭笏は

2000年前後から市場に登場し、彭城王のみな

らず「某某王」と刻された品を多数散見する。共に

金泥象嵌である点は一致しているが、獣面や篆

書の文内容に、微妙な違いが有る。この様なお土

産品は、古玉市場から既に淘汰されたものと思っ

ていたが、今(2010)に至っても堂々と古玉とし

て市場に登場しているのは、驚きであり且つネッ

ト上で真偽の論議が交わされる事自体が情けな

い。金象嵌ではなく金泥象嵌である一事を以って

しても、古い訳は無い。

左側は、上部に「禮信」・中央に「彭城王之圭」、

右側は、上部に上下に「福代」左右に「五五」・下

部に「用賜方厚卒、五曰司左闕、王方正刑少、作

公余不止」と、金泥が象嵌されている。


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